「がん」になるって、どんなこと?

「がん」になるって、どんなこと?

大学病院のがん専門医による、がん教育活動の記録です。

がん教育を始めたのは、なぜ?①

私は数年前から、学校で子供たちへの「がん教育」を行なうようになりました。私がなぜ学校でこどもたちに「がん教育」をするようになったのか、「がん教育」とはどのようなものなのか、そして子どもたちにどんな効果や影響があるのか、といった話も、ブログでお伝えしていこうと思います。

変わらない外来風景

いまや、がんは国民病であり、日本人男性の3人に2人、女性の2人に1人はがんになります。そして様々なメディアからは、毎日のように様々ながん情報が発信され、世の中に溢れていますが、なぜかみなさん、どこか他人事です。

私は医者になってからちょうど30年になりますが、この間に、国民の健康意識は大きく向上しました。ところが、がんに関する限り、特にがん告知や、厳しい予後についてのお話をするときの、患者さんやご家族の反応は、30年前とほとんど変わりません。

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実際の告知現場では、大半の方が、「私ががんになるはずはない」、「なぜ私の大切な家族が、よりによってがんなんかに…」と否認したり悲嘆にくれたり、ひどいパニックに陥ったりします。

 

突然の告知により精神的なショックを受けることは、とてもよく理解できます。しかし、2人に1人ががんになる時代だというのに、自分ががんにならないと思い込んでいる方がここまで多くいらっしゃることや、100%完治するであろう、ごく早期の患者さんでさえ、がん告知により精神的にぎりぎりまで追い込まれてしまうことを目の当たりにして、自分は一体どうしたらいいのだろう、と私はいつも考え続けていました。

そして、自分ががん専門医として診療に注力すればするほど、診察室だけでなく病院の外でも、がん患者さんやご家族に正しい情報をお伝えして、少しでも安心していただきたいたい、がんの啓発をしたい、という気持ちが、日に日に強くなっていったのです。