「がん」になるって、どんなこと?

読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

「がん」になるって、どんなこと?

大学病院のがん専門医による、がん教育活動の記録です。

【4月13日(木)】神戸に行ってきました。

神戸市教育委員会を通じて、神戸市須磨区の市立東落合中学校から、がん授業の依頼があり、4月13日に神戸まで、事前の打ち合わせに伺いました。

東落合中学校は、神戸市中心部の三宮から約10kmほど西方に位置します。昭和40年代に神戸では、神戸方式と称された壮大な都市計画によって、巨大なニュータウン群が造成されました。須磨ニュータウンはその一つですが、『山、海へ行く』という有名なコピー通りに、いくつもの山を崩して住宅地として整備し、生じた土砂を長大なベルトコンベアーによって神戸沖まで運び、埋め立てて、あのポートアイランドが生まれたのです。

f:id:doctor-teacher:20170417180721j:plain

初夏を思わせるような快晴の空を仰ぎながら、静かな住宅街を進むと、程なく東落合中学校の校舎が見えてきました。

校長の中村喜代久先生、養護教諭の伊藤智枝先生とともに、神戸市教育委員会から碁石郁夫指導主事の3名の先生方が、校長室で私を迎えて下さいました。

私は学校で授業をする際には、必ず一度は事前打ち合わせに伺うようにしています。今回、神戸市教育委員会からは、昨年度東落合中で行われた授業に関する資料を送っていただいていたのですが、やはり実際に、東落合中の雰囲気を肌で感じたい、先生方とラポールを結びたい、と願って、神戸まで足を伸ばしました。

日帰り半日の出張でしたが、伺って本当に良かったと思いました。中村校長の優しい笑顔や、少女のような初々しさを残した伊藤先生にお会いして、すぐに心の緊張が緩みましたが、さらに、頼もしさ満点の碁石主事から、直接神戸の詳細なお話を伺うことで、がん教育における『神戸方式』の素晴らしさを実感することができました。

頂いた資料の表紙と目次です。

f:id:doctor-teacher:20170417182531j:plain  f:id:doctor-teacher:20170417183039j:plain

f:id:doctor-teacher:20170417183145j:plain  f:id:doctor-teacher:20170417183211j:plain

f:id:doctor-teacher:20170417183414j:plain   f:id:doctor-teacher:20170417183613j:plain

 いかがでしょうか? 国のモデル事業といえども、ここまで充実したがん教育をされていたとは、本当に驚きました。なんと保健科で2コマ、特別活動で2コマ、そして道徳で1コマの、計5コマも使って、神戸のがん教育は行われていたのです! しかも各冊子に丁寧に示された教材や授業案を拝見する限り、完璧とも思えるような、素晴らしい内容でした!!

『え~、今回に授業予定の生徒は、まさか去年これだけ教わった生徒たちじゃないだろうなぁ.......』と、一種の懸念を覚えましたが、なんと中村校長は、「昨年度の授業から、もう4ヶ月ほど経過しています。それなりの効果はあったと思いますが、林先生には最後にもう一度纏めていただき、生徒たちのがんに対する知識や理解を確実にしていただきたいのです!」と仰ったのです!

私は反射的に「無理です~!」と言ってしまいましたが、その一方で、こんなに素晴らしい授業を受けた子どもたちの最後の総括の授業をさせていただけるなんて、もしかしたら二度とない機会かもしれない、と思い直しました。

伊藤先生の優しいお顔や、碁石主事の落ち着いた態度にも励まされ、最終的には6月2日(金)に、中学校3年生を対象に、がんの授業することになりました。

授業のテーマは、纏めということを意識して、「がん教育を通じて、東落合中のみなさんに伝えたいこと」、としました。これから事前にアンケートなどもお願いする予定ですが、神戸の皆様をがっかりさせないように、精一杯の授業をさせていただこうと思っています。