「がん」になるって、どんなこと?

「がん」になるって、どんなこと?

大学病院のがん専門医による、がん教育活動の記録です。

学校に行こう!と決めたけれど...①

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「学校に行こう!」、と思ったものの、実際にどうすればいいのか、見当もつきませんでした。自分の子供たちはとっくに成人しており、保護者として学校と関わったのは10年以上前ですし、現在は大学の教員であっても、小・中・高の学校との繋がりは全くありませんでした。

とりあえず、地元の教育委員会に電話して、学校で授業をさせてもらえるのか、お尋ねしてみました。会ったこともない医者からの突然の電話で、こちらの意図を先方にご理解いただける訳もなく、たらい回しになって、結局は自然消滅しました。まあ、当然と言えば、当然かもしれません。

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「さて、どうしたものか...」と、数ヶ月間悩んでいたのですが、ある時、自分の職場の大学病院に、院内学級を設置することが決まった!と聞きました。病院に長期入院しているこどもたちのために、教育委員会とたくさんの議論を重ねてきたうえでの成果だとのことでした。「今なら、教育委員会の理解も得られるかもしれない。」と考え、早速、院長に教育長を紹介してもらいました。

予想通り、今度はスムースに話が進みました。教育長に直接面談する絶好の機会を得たのです!

理解ある教育長との出会い

教育委員会は、区役所の建物の一番奥にありました。教育長は私より少しだけ年上の、優しそうな男性でした。以前の電話で相手にしてもらえなかったという経験から、「義理で話だけ聞いてくれても、断られるかもしれないなぁ」と、不安な気持ちが強かったのですが、教育長は私の一方的な主張を、じっと静かに聞いてくれました。私は必死に具体的な授業内容や進行方法なども提案しましたが、一通り話が終わった後、彼は微笑みながら、こう言ってくれました。

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「大変意義のあるご提案だと思います。区内の全ての小学校の養護教諭を、病院近くの小学校に集めますから、先生が教諭たちにプレゼンしてください。共感して、自分の学校で授業をして欲しいと、手上げした学校があったら、その場で授業の約束をしてもらって構いません」

私は思わず万歳しました! やっと学校に行ける!

この時は、この先は全てうまくいくに違いないと、信じて疑いませんでした。