「がん」になるって、どんなこと?

読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

「がん」になるって、どんなこと?

大学病院のがん専門医による、がん教育活動の記録です。

【4月27日(木)】日本ネイリスト協会の指導者の方々へ講演しました。

日本ネイリスト協会の萩原直見理事のご依頼で、ネイリスト協会の指導者の方々への研修会で講演しました。がんとネイリスト?というと、何の関係もなさそうですが、実際には、抗がん剤使用中の患者さんのネイルケアは非常に重要です。

以前は、ネイルといえば、単なるおしゃれの一つに過ぎませんでしたが、最近は大きく変わってきています。最近のネイリストの方々は、医学的な配慮もしながら施術するようになり、がん患者さんへの支持療法としても、期待されている領域です。

抗がん剤の投与によって、様々な副作用が生じますが、爪も例外ではありません。薬剤にもよりますが、非常に多くの患者さんに、爪の障害が出現します。爪に線が入ったり、黒くなったり、爪が脆くなって割れたり、ひどいときには感染を起こしたり、剥離してしまうこともあります。

特に女性の患者さんは、美容面だけでなく、仕事や家事にも支障が出ることも多いので、抗がん剤の使用中は、早期からの爪のケアが望ましいと思います。私の妻も、以前の抗がん剤の投与時に、爪がボロボロになり、指先の激痛に悩まされていました。10年たった現在でも爪が波打っているような状態です。妻の経験も踏まえ、がん専門医として、ネイリストの皆さんにも、出来るだけ適切な情報提供をしたいと考えています。

今回の講演では、がんって何だろうか、どうしたら予防できるのだろうか、検診や治療のこと、抗がん剤の副作用のこと、緩和ケアのことなど、子どもたちへのがん教育と同様の内容を、まず最初にお話させていただきました。その後に、がん患者さんが、身体的な苦痛だけでなく、精神的にも、社会的にも、様々な苦痛を抱えておられることをお伝えし、学校でのがん教育の取り組みの実際についてもご紹介しました。

f:id:doctor-teacher:20170428113843j:plain

どなたも非常に積極的に参加して下さいました。90分の予定が100分お話ししてしまいましたが、皆さんの視線が痛いぐらいでした。講演後は妻と一緒に懇親会に参加させていただきました。日本ネイリスト協会の皆様、大変ありがとうございました。

f:id:doctor-teacher:20170428113834j:plain