「がん」になるって、どんなこと?

「がん」になるって、どんなこと?

大学病院のがん専門医による、がん教育活動の記録です。

いざ、学校へ!②

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実は私は、自分の二人の息子の授業参観に一度も行ったことがありませんでした。子どもたちが小さかった頃の私は、確かに典型的な仕事バカでしたが、仕事が忙しくて、なんて、何の言い訳にもなりません。もしかしたら私は、自分の子供の教育に興味がなかったのかもしれません。子どもの教育は、全面的に妻任せで、本当に無責任な父親でした。

そんな私が、今では教員免許を取ったり、学校に行って授業をしたり、どや顔で教育の重要さを語っているのですから、お恥ずかしい限りです。

最初の養護教諭たちへのプレゼンで私が拒絶されたのは、私が無意識ながらも、内面深くでは教育を軽く見ていたのを、彼女らの鋭い眼光で見抜かれてしまったからかもしれません。

f:id:doctor-teacher:20170504222510j:plain新宿区落合第一小学校で、初めて授業参観させていただいた時のことは、非常に鮮明に覚えています。若林先生の保健の授業を参観したのですが、授業開始早々に、私は一気に、彼女の迫力に圧倒されました。保健室では穏やかに話していたのに、子どもたちのいる教室では、びっくりするくらい大きな声で、身振り手振りも駆使して、全身で授業を始めたのです。

 

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「うそっ!先生すごい!」、というのが率直な感想でした。子どもたち一人ひとりをまっすぐに見据え、絶妙のタイミングで意見を吸い上げる様子を拝見しているうちに、「なんか役者さんみたいだ。。。」と思いました。

浅学な私は、その時やっと教育の奥深さに気が付いたのです。若林先生は30年間も子どもたちと毎日対峙し続けてきた、ベテラン教師です。教育に関する、彼女の知識と経験の蓄積は、私が想像できないほど膨大であり、目前で行われている授業は、彼女がその能力を最大限に駆使している。プロのパフォーマンスそのものなんだということに気がついたとき、私は思わず身震いしました!