「がん」になるって、どんなこと?

「がん」になるって、どんなこと?

大学病院のがん専門医による、がん教育活動の記録です。

行政とがん教育① がん教育の社会的背景

これまでこのブログでは、私ががん教育を行ってきた経緯や現在の活動を中心に報告してきましたが、実は国も、文部科学省と厚生労働省がともに協力しあって、学校におけるがん教育の推進を図っています。これまでの行政の動きを見てみましょう。

平成19年に施行されたがん対策基本法の下、政府が平成24年に策定したがん対策推進基本計画では、分野別施策と個別目標という項で、以下のように記述されています。

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そして平成25年度には、公益財団法人である日本学校保健会にがん教育の検討会が設置され、がん教育の在り方等について検討を開始し、平成26年度からは、国でも新たに「がんの教育総合支援事業」を立ち上げ、『「がん教育」の在り方に関する検討会』を設置するとともに、モデル校等で多様な取組がはじまりました。

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なぜ、国が学校におけるがん教育を推進するのでしょうか? その背景は、いったいどういうことなのでしょうか?

『「がん教育」の在り方に関する検討会』では、平成27年3月に報告書をまとめています。以下、報告書を要約してみます。

学校におけるがん教育の基本的な考え方

学校における健康教育は、生涯を通じて自らの健康を、適切に管理し改善していく資質や能力を育成することを目指して実施されています。しかし、がんは日本人の死亡原因の第一位であるにもかかわらず、がんという病気やがん患者に対して、正しく理解し認識を深めるような教育は、これまで十分ではありませんでした。

児童・生徒への健康教育を推進するための一つの手段として、学校教育を通じてがんについて学ぶことにより、健康に対する関心をもち、正しく理解し、適切な態度や行動をとることができるようにすることが求められているのです。 

ですから、学校においてがん教育を推進する際には、「健康と命(いのち)の大切さを育む」という視点で行うことが重要です。「がん教育」は、がんをほかの疾病等と区別して特別に扱うことが目的ではなく、がんを扱うことを通じて、ほかの様々な疾病の予防や、望ましい生活習慣の確立等も含めた健康教育そのものの充実を図るものだといえます。

また、がん教育の実施にあたっては、専門家や患者・経験者を外部講師として招くことや、地域の実情等に応じて、がん以外の様々な疾病や健康に関する問題から学ぶことも有意義であり、各学校・教育委員会等の主体的な取組が期待されています。このような取組を全国規模で推進していくために、今後は国や地方公共団体における学校保健担当部局と地域保健担当部局の連携を強化していくことが不可欠です。

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それでは、具体的には何をどう教えればいいのでしょうか?