「がん」になるって、どんなこと?

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「がん」になるって、どんなこと?

大学病院のがん専門医による、がん教育活動の記録です。

行政とがん教育② がん教育の定義と教育内容

「がん教育」の在り方に関する検討会の報告書には、以下のようにがん教育の定義と目標、具体的な教育内容が記されています。

 がん教育の定義

がん教育は、健康教育の一環として、がんについての正しい理解と、がん患者や家族などのがんと向き合う人々に対する共感的な理解を深めることを通して、自他の健康と命の大切さについて学び、共に生きる社会づくりに寄与する資質や能力の育成を図る教育である。


がん教育の目標


① がんについて正しく理解することができるようにする

がんが身近な病気であることや、がんの予防、早期発見・検診等について関心をもち、正しい知識を身に付け、適切に対処できる実践力を育成する。また、がんを通じて様々な病気についても理解を深め、健康の保持増進に資する。


② 健康と命の大切さについて主体的に考えることができるようにする

がんについて学ぶことや、がんと向き合う人々と触れ合うことを通じて、自他の健康と命の大切さに気付き、自己の在り方や生き方を考え、共に生きる社会づくりを目指す態度を育成する。

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がん教育の具体的な内容

また、報告書では、がん教育の具体的な内容を以下の9つとしています。

  • がんとは(がんの要因等)

がんとは、体の中で、異常細胞が際限なく増えてしまう病気である。異常細胞は、様々な要因により、通常の細胞が細胞分裂する際に発生したものであるため、加齢に伴いがんにかかる人が増える。また、数は少ないが子供がかかるがんもある。

がんになる危険性を増す要因としては、たばこ、細菌・ウイルス、過量な飲酒、偏った食事、運動不足などの他、一部のまれなものではあるが、遺伝要因が関与するものもある。また、がんになる原因がわかっていないものもある。

  • がんの種類とその経過

がんには胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、前立腺がんなど様々な種類があり、治りやすさも種類によって異なる。また、がんによる症状や生活上の支障なども、がんの種類や状態により異なっている。病気が進み、生命を維持する上で重要な臓器等への影響が大きくなると、今まで通りの生活ができなくなったり、命を失ったりすることもある。

  • 我が国のがんの状況

がんは、日本人の死因の第1位で、現在(2013年)では、年間約 36 万人以上の国民が、がんを原因として亡くなっており、これは、亡くなる方の三人に一人に相当する。
また、生涯のうちにがんにかかる可能性は、二人に一人(男性の 60%、女性の45%(2010 年))とされているが、人口に占める高齢者の割合が増加してきていることもあり、年々増え続けている。がんの対策に当たって、すべての病院でがんにかかった人のがんの情報を登録する「全国がん登録」を始め様々な取組が行われている。

  • がんの予防

がんにかかる危険性を減らすための工夫として、たばこを吸わない、他人のたばこの煙をできるだけ避ける、バランスのとれた食事をする、適度な運動をする、定期的に健康診断を受けることなどがある。

  • がんの早期発見・がん検診

がんにり患した場合、全体で半数以上、早期がんに関しては 9 割近くの方が治る。がんは症状が出にくい病気なので、早期に発見するためには、症状がなくても、がん検診を定期的に受けることが不可欠である。日本では、肺がん、胃がん、乳がん、子宮頸(けい)がん、大腸がんなどのがん検診が行われている。

  • がんの治療法

がん治療の三つの柱は手術治療、放射線治療、薬物治療(抗がん剤など)であり、がんの種類と進行度に応じて、三つの治療法を単独や、組み合わせて行う標準治療が定められている。それらを医師等と相談しながら主体的に選択することが重要となっている。

  • がん治療における緩和ケア

がんになったことで起こりうる痛みや心のつらさなどの症状を和らげ、通常の生活ができるようにするための医療が緩和ケアである。治らない場合も心身の苦痛を取るための医療が行われる。緩和ケアは、終末期だけでなく、がんと診断されたときから受けるものである。

  • がん患者の生活の質

がんの治療の際に、単に病気を治すだけではなく、治療後の “生活の質”を大切にする考え方が広まってきている。治療による影響について十分知った上で、がんになっても、その人らしく、充実した生き方ができるよう、治療法を選択することが重要である。

  • がん患者への理解と共生

がん患者は増加しているが、生存率も高まり、治る人、社会に復帰する人、病気を抱えながらも自分らしく生きる人が増えてきている。そのような人たちが、社会生活を行っていく中で、がん患者への偏見をなくし、お互いに支え合い、共に暮らしていくことが大切である。

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