「がん」になるって、どんなこと?

「がん」になるって、どんなこと?

大学病院のがん専門医による、がん教育活動の記録です。

行政とがん教育③ 医師が学校に出向くのは

がん教育の主たる目的は、児童・生徒が、正しい生活習慣を送ることで強い体をつくり、より健康的な生活を送れるようにすることですが、もう一つの重要なねらいは、子どもたちに健康やいのちの大切さ、家族の有り難さ、家族の一員としての自分の役割、などを気付かせることです。昔から、子どもたちは白いキャンバスだとよく言われますが、私も経験上そう思います。私の話すことを子どもたちが真剣な眼差しで聞き入ってくれる時には、彼ら彼女らに対する大きな大きな責任を痛感しながら、こちらも全身全霊で授業をしています。

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がん教育は、単に保健、理科などの教科書のページを増やすような教育ではありません。それなら、教育のプロである学校の先生に任せた方が確実です。われわれ医師が学校に出向くのは、がん患者さんやご家族と喜怒哀楽を共にしてきた、われわれしか知らないこと、経験していないことを、実感を持った語り部として、次代を背負う子どもたちに伝えるためです。

 

報告書の(4) 留意点③外部講師の参加・協力など関係諸機関との連携について、という項には、
『がんに関する科学的根拠に基づいた知識などの専門的な内容を含むがん教育を進めるに当たっては、地域や学校の実情に応じて、学校医やがんの専門医等の外部講師の参加・協力を推進するなど、多様な指導方法の工夫を行うよう配慮する。また、がんを通して健康と命の大切さを考える教育を進めるに当たっては、がん経験者等の外部講師の参加・協力を推進する。』

とあります。嬉しいことに、国もわれわれ外部講師の価値を認めてくれています。

しかしながら、われわれ医師は、教育の専門家ではありませんし、ましてや小学校や中学校で教えたことなど通常はないはずです。

せっかく外部講師をやってみようという先生がいても、何をどうすればいいのか、分からないことだらけですよね。